かつての香港映画のスターであり、今やハリウッドのスターでもあるチョウ・ユンファも子供の頃に映画館で「渡り鳥シリーズ」などのアクション映画に夢中になって、やがてアクションスターをめざした。また、同様に香港映画の人気監督からハリウッド・メジャー監督に転身したジョン・ウーも、マイトガイ・アキラの大ファンだ。彼が『ミッション・インポッシブル2』のプロモーションで来日した際に、アキラの訪問を受け、驚くことにひざまづいて迎えたのだ。彼はアキラを「ゴッド(神)」と呼ぶ。貧しい子供時代を送った彼は映画の中で悪党をなぎ倒すアキラの姿に自分を映していた。そして今、押しも押されもしないハリウッドのメジャー監督となった。

 ここまでは、よく知られた話である。実はアキラは、かつてハリウッド映画出演のオファーを受けていたのだ。しかし、当時の日活映画が離してはくれなかった。
 1961年、大活躍中のアキラは海外まで名前が轟いていた。アメリカでレコード印税が溜まりすぎて使うために渡米した時、アキラに西部劇に出て欲しいというオファーがあった。相手役はロバート・フラー(当時、日本でも大人気のテレビ西部劇「ララミー牧場」の主演の一人)。“将軍お預かりの刀”を父親が米国に運んだが、途中で行方不明になり息子のアキラが探しに渡米する。そのコスチュームも全身黒づくめで、背中には斜めに刀を背負い、スペイン風の帽子を被っている。しかし、これは先の理由で実現しなかった。後に「レッド・サン」が制作されたが似たような話である(三船敏郎、アラン・ドロン、チャールズ・ブロンソン主演)。この役柄は、相手が拳銃を構えるよりも早く手裏剣を投げるそうである。(後のテレビ時代劇「幻之介世直し帖」のキャラクターに利用されたような)
 プロデューサーに3年間身柄を預けろといわれ、厚さが20センチもある契約書を渡されたそうである。正直なアキラ氏は会社に電話をすると、明くる日に撮影所長と俳優部長が二人で無理矢理連れ戻しに来たそうである。日の目を見なかったのが残念。

 マイトガイ映画の正しい観方はもちろん、映画館で観ることです。大画面に包まれて観る。これが最も正しい観方ですね。しかし、全国レベルでみると全てがそうは行かないところがあります。やはり東京を中心にレイトショーなどで特集が組まれることがありますが、地方となるとそうは行かないようです。しかし、最近は努力されている地方劇場もあるようです。
 以下は現在及び過去1年以内において、マイトガイ・アキラの映画を上映した劇場を紹介します。

中野武蔵野ホール <マイトガイ・リターンズ小林旭二十一面相>(全17作/9〜11.02) その他、多数

銀座シネパトス  『黒い傷あとのブルース』(吉永小百合特集/7.03)

シネマ下北沢   『踏みはずした春』(青.狂.夏.映画 8.03)

●浅草新劇場    
不定期的に小林旭作品がかかる模様

倉敷東映     『南国土佐を後にして』(8.03)

衣山シネマサンシャイン 『大暴れ風来坊』(10.02) *紹介記事はここ

         マイトガイ・リターンズ(中野武蔵野ホール) 

 

 映画館へ行く時間がない。ゆっくり部屋で観たいという方のための案内。でもやっぱり、大スクリーンには負けます。例え大型スクリーンのホームシアターであっても映画館の醍醐味には勝てません。それを前提として、テレビ画面のサイズは最低でもブラウン管テレビは25インチ以上、液晶なら20インチ以上をお薦めします。特に液晶は近くで観ても違和感がないのでひたれますよ。そして素材の紹介!一番はDVDソフトに限ります。LDもありますが、現在は入手困難なので省きます。そしてビデオテープ。それからCS/BS衛星放送、地上波放送ですね。

■DVDソフト  各3,800円(税別)

ギターを持った渡り鳥 大草原の渡り鳥 関東無宿 完全な遊戯

 現在発売中のDVDソフト、ビデオに比べると格段の画質の違いがある。特に日活カラーといわれた鮮やかさが生きている。
左から順に『ギターを持った渡り鳥』『大草原の渡り鳥』『関東無宿』『完全な遊戯』の4本。今後、「暴れん坊シリーズ」「流れ者シリーズ」「銀座旋風児シリーズ」と発売されることを期待しましょう。まずは現在の物が売れることですね。それで先がある。
詳しくは《 DIG THE NIPPON 》へ。ちなみに、これらの作品のレンタルはありません。


■ビデオテープ
 
数少なくはなりましたが、まだ一部では販売されているようです。確実に入手されたい方は日活.comの通販を利用されるのが良いでしょう。まずは、目指す作品の在庫があるかを検索しましょう。在庫があれば確実に入手できます。  

日活.com  ●メニューの“作品データベース”から、お好みの作品名を入れて在庫確認をします。後は流れに沿って。


■CS放送
 
BSでの放映もありますが、定期的に観よう思う方は、CS放送の “チャンネルNeco”をお薦め。毎月のメニュー「日活名画館」「日活SPシアター」などで放映されます。視聴契約料は月間¥300(別途、スカパー等の月間基本料要)その他、“日本映画専門チャンネル”などでも放映されます。視聴契約料は月間¥500(別途、同) <BSは省略>

何といっても小林旭さんは、演技力はあるし、アクションセンスも抜群!


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