[管理人の勝手な思いによる曲目紹介]
「旅の酒〜放浪編〜」から始まる本アルバムは「さすらい旅情」とでもテーマでくくることができるでしょう。
「ハバナギラ」は旅空の下で亡くした愛しい女(ひと)を想う歌であり、人生の旅に例えることもできるでしょう。「アキラのブンガワンソロ」などの海外民謡を歌う系譜にあたります。出演作100本記念映画『赤道を駈ける男』で使われました。
「蒙古放浪記」は見事な小林旭調のひねりがあります(「こころ たけく〜も」のあたりのこだわり、普通は「ここ〜ろ〜 たけ〜くも」の調子)。これはアレンジではなく、旭さん節でしょう。大正時代の軍歌が何故か似合いますね。
「若き旅人」は当時に数度聴いたのみでした。「惜別の唄」を彷彿とさせますね。
「旅心」は映画『やくざ渡り鳥・悪党稼業』の主題歌でもあります。歌詞の「赤い夕陽に涙ぐむ」という一節は渡り鳥キャラクターを背負って変節してゆく様子を感じさせていいですね。本質的には一切変わらぬ「俺もお前も 流れ草」。
「北へ」は文部省唱歌に推薦したいくらいの歌です(記憶では学校の音楽の教科書に掲載されていると聞いたことがありますが?)
「遠い旅」は私も含めて一部の人が待ちかねた曲ですね。本ページでもCDに入れたい曲として「一位」を維持しています。「黒い賭博師」シリーズでは監督の意向により全フレーズが使われなかった曲です(使われたのはサビの部分のみで、謎の曲でもありました)。だから、これがCD化されるのは驚異でもあります。
「自動車ショー歌」は次から次へと車種を渡り歩く、さすらい歌ともとれます(『歌語り』の小野さん曰く)。クラウン時代の代表的ヒット曲だからいいでしょう。
「ごめんね」この曲は作詞・作曲の遠藤実先生こだわりの一曲です。私個人的には常々、掲示板などでも書いておりますが、あの世の旅へ出る際に残された者たちへのメッセージとして私の「送魂歌」の代表曲としてストックしております。
「愛の舟」初聴きです。見事な四行詩ですね、ある時期の日本人の心には沁みた曲調です。もちろん、私には深くしみいります。こうした名曲が日の目をみてよかったですね。何度も繰り返して聴けます。恋を無くした男の悲哀を歌います。
「ゆるしておくれよ」初聴きです。愛しい女を捨ててまで夢に生きる男の歌です。この曲も私の「送魂歌」となるでしょう。
「涙の恋の物語」アップテンポの楽しい曲です。「泣いたとさ 恋なんてはかないもんだと 泣いたとさ」こうしたジャンルの曲って今は、すっかり聴けなくなったのが残念です。昭和は遠くなりにけりです。最近は、なんか大事なものを忘れてきたような気がするけど・・・。
「おまえに逢いたい」♪チャンカチャカチャカチャン・・・で始まるモロ演歌調です。アナログシングルでは聴いてました。力強いアキラさんの唱法です。
「ついて来るかい」『ネオン警察・女は夜の匂い』主題歌でもあります。この曲も「ごめんね」同様、遠藤先生こだわりの最初の曲です。後には歌謡ロマンシリーズ(「ついて来るかい」「ごめんね」「純子」)といわれた三部作の一曲目です。
「さよなら さよなら さよなら」初聴きです。古い日本人が好きな「篭の鳥エレジー」を連想させる曲調です。もちろん私は「旅の灯り」を連想しました。タイトルからは想像できなかった素晴らしい曲です。この歌も私の「送魂歌」となるでしょう。これを電車で聴いてたら知らず知らずの内に涙が頬を伝ってました。ごまかすのに苦労しました。
「昔の名前で出ています」もう云うことはありません。聴くたびに深さが増す歌です。渡り鳥時代からのファンとしては当初、凄く抵抗がありました。でも、自分がそうした夜の世界に身を置いた時に実感したのは、この歌の通りでした。「あなたがさがして くれるの待つわ」「あなたが止って くれるの待つわ」そうすることで得られる「夢」であり、待っているのは「あなた」ではなく幸福を運んで来る青い鳥かも知れない。この曲がトメというのもいいですね。
こうして全体を通してみると、クラウン時代の「良いとこ」どりがしてあるアルバムとも云えるでしょう。最初のヒット曲「自動車ショー歌」そして次のヒットとなった「ついて来るかい」「ごめんね」大ヒットの「昔の名前で出ています」クラウン最新の「旅の酒」のラインナップ。その間を埋める埋もれた名曲の数々。抒情味たっぷりのアルバムです。また、オリジナル音源が嬉しいです。
最後に、日本クラウンの担当者様には大変感謝致します。毎年のように発売される「小林旭全曲集」の収録曲目は失礼ながら、毎度大差の無い曲目ばかりではありましたが今回の大英断には感謝致します。また、選曲にあたっては当サイトのリストを参考にされたとお聞きしております。この結果が明確に反映されることを祈るばかりです。