波止場の無法者  

 

 ★渡り鳥・流れ者の
  原型?

 ★浅丘ルリ子さんの
  珍しいカクテル
  ドレス姿
 
 
★元気な主題歌

 
 人一倍正義感の強い海の男、木島健二(小林旭)と茶目っ気たっぷりの相棒の次郎(小沢昭一)
 が麻薬組織の悪党に立ち向かう熱血ストーリー。

 香港から一人の女(浅丘ルリ子)を密航させて上司と喧嘩になった健二と次郎は船をおりた。
 陸に上がった海の男には何もできないが、歌が得意で腕っ節が強い健二のおかげでキャバレー
 ドラゴンで働くこととなる。しかし、そこは麻薬密売組織の日本支部だった。
 喧嘩の腕を買われて健二は支配人(岡田真澄)の麻薬取引の用心棒となる。
 しかし、それは悪事の証拠を握るために装ったことだった。

 そんな矢先、密航させた女に出会った。
 女は金沢ひろ子と名乗り、密航してお金が無いので港の買取り屋のシブチン(殿山泰司)から
 多額の借金をしていることを告げる。それを聞いた健二は自分がその金を作ることを約束する。
 実はひろ子は麻薬捜査官であり、キャバレードラゴンをホステスとなって内偵中であった。
 また、悪党の内部でも変化が起きていた。香港の麻薬結社「黄人社」の使者が来たことから、
 それを利用してボス(芦田伸介)の座を奪おうと画策する支配人。
 悪事の秘密を握ろうと危険を冒す健二。囚われの身となる女捜査官、
 それを助けるホステス(中原早苗)。
 支配人はボスを殺し、捜査官の口を封じるために銃を撃つが、死んだのは身代わりのホステスだ
 った。遂に健二の怒りが爆発する。やがて、警察官が駆けつけ大団円に。

 さわやかな風が吹く横浜港の展望台に健二と金沢ひろ子の姿があった。
 お互いに好きなくせに、何もいいだせないままだった二人の間は急速に接近した。
 そして「俺は金沢ひろ子が好きだ・・・」と何度も叫ぶ健二に恥ずかしそうにかけよるひろ子の
 姿があった。

     <管理人のつぶやき>
   

 
 本作品は『ギターを持った渡り鳥』の約1ヶ月後に公開された作品であり、
 監督が斉藤武市氏であることから後の渡り鳥シリーズの先駆的作品と言われています
 (『南国土佐を後にして』のヒットはもちろんのこと)。
 しかし、スタイルとしては「流れ者シリーズ」の匂いがします。

 細かい点を探すと、
 
 1. 船を下りる時に相棒がギターを持って後を追いかける。
 
 
2. キャバレーで歌うシーンが随所にある(主題歌を3回歌う-初期であるため主題歌のみ)
 
 3. 歌った後は必ず暴れる(お約束)。
 
 4. 船で麻薬取引が行われる。
 
 5. 殺し屋ではないが、組織の使いの者として黒づくめの男(近藤宏)が登場する。
 
 6. おとぼけの相棒がいる(このあたりは後の「あいつシリーズ」につながる)
 
 7. 浅丘ルリ子さんと恋に落ちる(渡り鳥・流れ者はほのかな慕情を秘めて)