不法投棄(ふほうとうき)とは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に違反して、廃棄物を投棄することをいう。これは一般廃棄物を除く産業廃棄物が中心である。近年、最終処分場などの逼迫により処理費用が高騰していること、合法的な経済活動では生成されない物質(硫酸ピッチ)を秘密裏に処理する必要などから行われる。なお、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、不法投棄した者の責任ばかりではなく、適正な監督を怠った排出者(事業者)に対しても撤去などの措置命令が可能となっている。不法投棄に対する罰金刑の最高額は1億円である。不法投棄の問題はおかれた状況によって、その判断が非常に難しいともいえる。過去の事案においても不法投棄と認められるまでの時間経過を要したものが多い。不法投棄については各地方自治体が頭を悩ませている。

《関連リンク》

・豊島問題ホームページ  http://www.pref.kagawa.jp/haitai/teshima/

 香川県豊島(てしま)に不法投棄された大量のゴミは現代社会の反映ともいえる。
 戦後最大の不法投棄事案。

 

・県境産業廃棄物不法投棄問題〈田子の声〉 http://www.takkonokoe.jp/fuho_toki.html

 青森県田子町と岩手県二戸市にまたがる約27ヘクタールの原野に不法投棄された
 産業廃棄物に対する地方自治体の取り組み。

 

・硫酸ピッチ問題について〈環境省〉 http://www.env.go.jp/recycle/ill_dum/sulfur.html

 近年、硫酸ピッチの不法投棄が問題となっています。
 硫酸ピッチとは不正軽油を製造する際、副次的に発生するものです。



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 産業廃棄物とは,工業,建設業,製造業,サービス業など全ての事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,表1に掲げる20種類のもの,並びに輸入された廃棄物のうち航行廃棄物(※1) 及び 携帯廃棄物(※2)を除いたもの。 また、特別管理産業廃棄物もある。その他は一般廃棄物。

※1 「航行廃棄物」とは,船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物のうち,船舶内にある船員その他の者及び航空機内にある航空機乗組員その他の者の日常生活に伴って生じたごみ,し尿その他の廃棄物をいう。
※2 「携帯廃棄物」とは,日本国内に入国する者が携帯する廃棄物のうち,入国する者の外国における日常生活に伴って生じたごみその他の廃棄物であって,当該入国者が携帯するものをいう。

廃棄物の種類
具体的事例
 1.燃え殻 石炭がら,コークス灰,重油灰,など
産業廃棄物の焼却残灰・炉内掃出物など
(ばいじんとは区別)
 2.汚泥 工場廃水等処理汚泥,各種製造業の製造工程で生じる泥状物,ベントナイト汚泥等の建設汚泥,生コン残さ,下水道汚泥,浄水場汚泥
 3.廃油 廃潤滑油,廃洗浄油,廃切削油,廃燃料油,廃食用油,廃溶剤(シンナー,アルコール類),タールピッチ類
 4.廃酸 廃硫酸, 廃塩酸, 廃硝酸, 廃クロム酸, 廃塩化鉄, 廃有機酸, 廃有機酸, 写真定着廃液, 酸洗浄工程その他の酸性廃液
 5.廃アルカリ 廃ソーダ液,写真現像廃液,アルカリ洗浄工程その他のアルカリ性廃液
 6.廃プラスチック類 合成樹脂くず,合成繊維くず,合成ゴムくずなど,固形状及び液状のすべての合成高分子系化合物,廃タイヤ(合成ゴム),廃イオン交換樹脂なども該当。
 7.紙くず 建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものに限る。),パルプ,紙又は紙加工品の製造業,新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。),出版業(印刷出版を行うものに限る),製本業,印刷物加工業に係るもの。
PCBが塗布され又は染み込んだもの(全業種)
 8.木くず 建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものに限る。),木材又は木製品製造業(家具製造業を含む。)パルプ製造業及び輸入木材卸売業に係るもの。
PCBが染み込んだもの(全業種)
 9.繊維くず 建設業に係るもの(工作物の新築,改築又は除去に伴って生じたものに限る。),繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)
PCBが染み込んだもの(全業種)
 10.動植物性残さ (食料品製造業,医薬品製造業,香料製造業)原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物−醸造かす,発酵かす,ぬか,ふすま,パンくず,おから,コーヒーかす,ハムくず,その他の製造くず,原料かす(なお,卸小売業,飲食店等から排出される動植物性の固形状不要物,厨芥類は,事業系一般廃棄物となる)
 11.動物系固形不要物 と畜場において屠殺し,又は解体した獣畜及び食鳥処理場において処理をした食鳥に係る固形状不要物
 12.ゴムくず 天然ゴムくず(合成ゴムくずは(6)廃プラスチック類)
 13.金属くず 切削くず,研磨くず,空缶,スクラップ
 14.ガラスくず,コンクリートくず及び陶磁器くず ガラスくず,耐火レンガくず,陶磁器くず,セメント製造くず
 15.鉱さい 高炉,転炉,電気炉等のスラグ,キューポラのノロ,鋳物廃砂,不良鉱石
 16.工作物の新築、改築又は除去によって生じたコンクリート破片その他類する物 コンクリート破片(セメント,アスファルト),レンガの破片,かわら片などの不燃物
 17.動物の糞尿 畜産農業に係るもの
 18.動物の死体 畜産農業に係るもの
 19.ばいじん (大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ廃プラスチック類の焼却施設)において発生するばいじんであって集じん施設(乾式,湿式)によって捕捉したもの
 20.処分するために
  処理したもの
(1)〜(19)に掲げる産業廃棄物又は輸入された廃棄物のうち航行廃棄物及び携帯廃棄物を除いたものを処分するために処理したものであって,これらの産業廃棄物に該当しないもの−コンクリート固形化物など

特別管理産業廃棄物とは、爆発性, 毒性, 感染性など人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性情を有する廃棄物。医療機関の廃棄物や化学工場などの廃液などがあります。分類は省略します。

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