大海原を行く渡り鳥    ビデオを見て構成したので、ほぼ忠実に再現しました。

 

セリフ・ピックアップ

 [ACT 1]
 
(ツブテの龍のイカサマを見破り)

 滝:なるほど、手品のネタは、
   そいつかい? ケチな野郎だ。

(手裏剣が放たれ、ギターで受ける滝)

 龍:ワタシのツブテをかわしたの
  アナタがはじめて。


 滝:俺もおめえ、みてえな
  手品師に会ったのは初めてだぜ。

 [ACT 2]
 
:あの店の用心棒じゃ
    なかったのかい?

 龍:ワタシ、
  そんなケチな男じゃない。
  ツブテの龍といやぁ、上海、香港、
  マカオを股にかけた流れ者。
  ワタシの名前を聞いただけで、
  ふるえあがる男達が沢山いる。

 
:そんな男が何だって、こんな
  佐世保くんだりまで流れて
来た
  んだい?
 
 
:大陸おかまい・・・

 滝:おかまい?

 [ACT 3]
 
(車で逃げようとする磯部を崖の
  上からライフルで狙う滝に)
 
:滝、後姿を撃ってはいけない。

 滝:邪魔な野郎だぜっ!


 

 
[ACT 4]
 
滝:どうして磯部を殺った?
 
 
龍:アンタもワタシを撃たなかった。
  

 滝:磯部のためにお前と
   やりあいたくなかったからさ。

 龍:ワタシもそうだ。
  それに由紀さん、
  アンタといっしょになる。
  しかたなくリエさん、
  ワタシのものになる。
  だから撃たなかった。

 滝:あきれた野郎だぜ。
 
 (龍、滝の頬の傷を見て)
 龍:ケガしてる・・・
 (龍、ハンカチでぬぐう)

 滝:火遊びが過ぎたぜ。

 [ACT 5]
 
アンタ、惚れられた女から
  何故、逃げる?
  もったいないな・・・。

 滝:お互い渡り鳥さ、
  ねぐらなんて、どこにもねえよ。

 

 

のどかな峠道を定期馬車が走る。
馬車には、坂井由紀(浅丘ルリ子)と小さな女の子、そして一人の紳士が乗り合わせていた。
馭者が新たに鞭を入れてガラガラと勢いよく走る馬車の前に突然、黒覆面をした集団が
銃を撃ち鳴らしながら飛び込んできた。
東京から大金を持ち帰ろうとしていた由紀の鞄を無理矢理奪い取った。
多人数の銃を持つ賊の前には抵抗も空しい。
そこへ丘の上から颯爽と現れたのが渡り鳥・滝伸次だ。
南軍の制服風スタイルの渡り鳥は賊がかまえていた銃を撃ち落として賊を追い払った。
しかし、鞄は奪われたままだ。

兄の坂井(青山恭二)が経営するホテルに滝と紳士、少女みどりと共に戻った由紀は
兄に1000万円入りの鞄を盗られたことを話す。
坂井は、伸次に助けてもらった礼を言い、自分が行う鉱石運搬事業の道路整備のための
資金づくりのために借金をした金だと説明をした。
そして、その鉱石運搬事業を妨害をする一味がいることを話した。

一方、由紀はみどりの事情を訊いていた。
母を亡くして単身、東京から父親を尋ねてこの町にやってきたのだ。
その少女の父親である三木(垂水悟郎)は妨害をする一味だった。

伸次が少女を連れて現れ「五ツ木の子守歌」を歌う。
歌い終わった伸二はカウンターに座る三木を見つけて少女の話をするが、
彼は自分ではないと嘘を言う。
少女を店のマダムに託して伸次は階下のギャンブル場へ。

伸次は、トルコ帽をかぶりサングラスをしたツブテの龍(藤村有弘)と
名乗る男にカードの勝負を挑む。
お互いに見事なカード裁きでカードが数度行き交い、
伸次はやがて、エースのフォーカードで負ける。
しかし、伸次は相手のイカサマを見逃さなかった。
テーブルを勢いよく返すと、裏にはエースのカードが4枚貼り付いていた。
あきれて帰ろうとする伸次の背中に、ツブテの龍が得意の手裏剣を2本同時に放った。
すかさず伸次はギターで受けとめた。突き刺さった手裏剣がブーンとうなりをあげている。
イカサマにあきれた伸次はまた会うために龍にギターを預け、
馬車を襲った賊の一人である哲を見つけだして店の外へ連れ出した。
誰に頼まれたのだと哲を追求すると、平和運輸に頼まれたと白状する。
その時、物陰から伸次達に銃弾が撃ち込まれた。そのスキを見て哲は逃げ出した。
そこへ少女が伸次のギターを持って現れて、龍に渡せと頼まれたと話す。
続いて龍が現れ、伸次に仲間にならないかと誘うが、彼はきっぱりと断る。

平和運輸に単身乗り込む伸次。
簡単には会わせないチンピラを相手に派手な乱闘の上、二階に駆け上がると、
社長の磯部(芦田伸介)と三木の二人が悪巧みの最中だった。
伸次はそこで馬車に乗り合わせていた紳士である磯部が襲う手引きをしたのだと知る。
磯部は札束を取り出し、伸次を買収しようとするが、欲しいのは
1000万だと断る。
そして、銃を向けて1000万円入りの鞄を取り返した。
帰ろうとする伸次の前にまたもやツブテの龍が現れ、伸次に仲間になれと頼むが断られる。
龍は平和運輸に用心棒として雇われた。

取り返した金を坂井に渡すと、土地と道路を磯部が以前から狙っていたことをうち明けられる。
坂井は大型バスなどが通って自然が破壊されるのを防ぐために頑張っていると話した。
警察に連絡しようとする坂井を伸次は押しとどめ、少女(みどり)の父親のために
事を荒立てないでくれと頼む。

キャバレーに再び現れた伸次は三木に、みどりのことを話し、
カタギになれない理由でもあるのかと問いつめるが、三木は頑として受け付けない。

磯部は龍に哲を消せと頼むが、三下は相手にしないと断る。では、三木に哲を消せと命令するが、
渋る三木に三年前に拾ってやった恩を忘れたかと迫る。
仕方なく引き受けた三木が部屋を出た後に今度は三木を消せと龍に迫るが、
自分の敵は滝だけだと断られる。

孤独な心を慰めるように一人ギターを奏でる伸次に、
第三埠頭へ来れば面白いものが見られると電話が入った。

埠頭では、哲と三木がもみ合っていた。そこへ物陰から二人を狙って銃弾が撃ち込まれた。
海に落ちる二人。
ジープで駆けつける伸次、その背中に聞き慣れたギターのメロディーが・・・。
「これ、アンタのようにうまく弾けないね」
ツブテの龍がクルマの上に座りギターを手にしていた。
近くで見ていて何故、仲間を助けなかったと問いつめる伸二を後目に「赤い夕陽が〜・・・」と、
とぼけた調子で龍は闇に消えた。

磯部は哲と三木を襲わせた二人の子分をねぎらっている部屋のドアの影に
店のマダムが立ち聞きをしていた。
たちまち捕らえられたマダムは「三木を返して」と頼むが磯部は無視をして、
新たな一計を案じていた。

伸次は坂井家で眠るみどりの安らかな寝顔を見ながら、鉱石運搬の手伝いをさせてくれと頼む。
それを心から喜ぶ由紀と兄だった。

坂井の事務所の求人広告を見て、平和運輸の連中がイチャモンをつけに来て事務所は騒然とした状態。
そこへ突然、リエが現れ事務所にあったライフルを男達に向けて強い口調で追い払った。
リエは雇って欲しいと坂井に告げた。

夜、リエの部屋の窓辺に怪しい影。リエが窓を開けると龍が立っていた。
そして、リエを抱こうとしつこく迫った。そこへ現れた伸次が龍を追い払う。
しかし、伸次はリエの行動を怪しんでいた。

鉱石運搬者がまた、賊に襲われて鉱石が谷間に落とされた。
急を聞いて駆けつけた伸次も間に合わず悔しい思いをする。

相次ぐ妨害に取引先の会社も坂井に善処を迫り、
2日以内に50トンの鉱石を運べば取引を継続すると告げる。
それを聞いた坂井は無理だというが、伸次はあえて引き受ける。

キャバレーのギャンブル場では、坂井とリエの姿があった。
酔った坂井はイカサマギャンブルに手を出し、多額の借金を作ってしまった。
払えないないなら、土地の権利書か妹を差し出せと脅迫される。
龍からその居所を聞いてかけつけた伸次が現れ、 一味と格闘。
卑怯な磯部は伸次を狙い撃ちしようとしていた。そこへ龍が現れ、滝を殺るのは自分だけと遮る。
伸次は、閉じこめられていたマダムと坂井を連れて3人でキャバレーを脱出した。

何故、あんな店に出入りしたと坂井を問いつめる伸二だが、彼は真実を言わない。
由紀が部屋に戻ると窓辺に龍が立って密かに耳打ちした。

その頃、伸次はキャバレーのリエに会い、彼女の口から磯部の命令でやったことを聞いた。
そして、自分は伸二が好きだと彼女は伸次に抱きついてきた。
龍に連れられた由紀がドアを開けてその姿を見てしまった。
ショックを受けた由紀は走り去る。

伸次が戻ると不機嫌そうな顔をした坂井姉妹がいた。
坂井の口から伸次に会社を辞めてくれといわれるが、
伸次はまだやり残していることがあると断る。

月夜の下、悲しげに誰かに訴えるようなギターのメロディが流れる。
由紀は部屋の窓から伸次が門の側でギター奏でる姿をじっと見つめていた。

急ピッチで鉱石運搬の作業は進んでいた。
平和運輸では磯部が手下に鉱石運搬の邪魔をさせるための手筈を指示していた。
磯部に止めてと哀願するリエ、龍にも頼むが恋の恨みからつめたくあしらわれる。

磯部の一味はジープと馬で鉱石運搬の妨害をしようと駆けつけた。

リエは坂井の事務所に滝が危ないと知らせに来る。ライフル銃を持って出て行く坂井。

峠道では、既に通りかかった運搬車に磯部一味が襲いかかっていた。
撃ち込まれる銃弾の嵐、伸次らも銃で応戦するが、弾丸が切れてしまった。
遅れてやってきた磯部のジープには龍が乗っていて、伸次を殺れと命令されるが、
弾丸のない丸腰の相手は撃たないと拒む。

やがて、坂井も駆けつけ、ライフルを伸次に放り投げる。
得意の銃を手にした伸二はポンプアクションのライフルをあざやかにあやつり一味を追い払った。
一人残った磯部があわてて車で逃げようとするところを狙っていた伸次に、龍が背中を撃つのは
よくないと止める。

車で逃げる磯部を騎兵隊スタイルで馬に乗ってライフルをかまえて追う渡り鳥。
キャバレーに逃げ込んだ磯部を追って、ほぼ暗闇の中で二人の銃撃戦がはじまった。

やがて伸次が優勢になり、磯部の悪事を問いつめたが、証拠がないと言い張る磯部。
しかし、証人はいると生きている三木が姿を現す。
そこへ、ツブテの龍が現れ、磯部は滝を殺れと命令する。
龍は手裏剣をかまえ、伸次はライフルをかまえた。
二人が対峙して息詰まる一瞬、磯部は床に落ちている銃を拾おうとして龍に刺された。
何故、俺を殺さないと訊ねる伸次に龍は「アンタはワタシを撃たないと思った」と言った。

長崎の龍踊りが行われる中・・・
伸次に付き添われ刑事と共に行く三木は、坂井家の窓から着飾ったみどりとマダムの姿を見て、
安心して刑事に両手をさしだした。

伸次が戻って来るかと心配する由紀の元に、リエが訪れて伸次は怒ってないと伝えに来た。
全てのことばを聞き終わらないうちに家を飛び出した由紀は伸次の姿を求めて・・・

その頃、伸次は船の甲板に立っていた。
港が見えるグラバー邸に立つ由紀、坂井、リエたち。
ギターを抱えた伸次がたばこをくわえると、静かにライターの火が差し出された。
ツブテの龍が九官鳥の籠を抱えて立っていた。
静かに見送る由紀たち・・・

 ♪汐の匂いの〜 する町が〜 どこも〜 俺には〜 ふるさとさ〜