|
会津磐梯山麓は、五色沼のほとリ---
ギターを背に馬に乗りやって来た渡り鳥の滝伸次。
山道の崖で泣いている越谷信夫少年を見つけた。
少年を救おうとして自らも足を踏みはずしてしまった。
その困難を尻目に、突如現れた得態の知れぬ流れ者ハジキの政が現れ、
伸次の馬をさっさと奪い消えていった。
高原ホテルに、父越谷大道と遊びに来ているという信夫を送って行った伸次は、
その途中、湯元の傍に焼けいぶる小屋の脇で、ハジキの政がグルリと男たちに囲まれているのを見た。
野性的な女マキに放火の疑いをかけられ猟銃をつきつけられているのだ。
伸衣は投げ縄で政を救い、アリバイを明らかにしてやった。
そして、伸次はホテルで越谷と、若く美しい女性に会った。
伸次はその夜、東北最大の混泉町でも一流のキャバレー「オハラ」に流しに入った。
ところが、そのマダムが先刻、越谷と−緒にいた女あけみだった。
そこへマキが若い男二宮浩と入ってきた。マキに促されて、浩は伸次に殴りかかった。
ところが地廻り風のテツ、ウメたちも浩を罵って殺到した。
伸次は皆を制し、浩とマキを帰してやった。
あけみも支配人小芝も何か伸次を頼もしがった。
その頃、階下では賭場荒しで大騒ぎになっていた。
伸次が小芝と降りてゆくと50万の負けに窮した政が居坐っていた。
そして伸次に勝負を挑んで来た。勝負は伸次に分が悪かった。
しかし、見事に政のイカサマを見破り、抵抗する政の拳銃を叩き落した。
ただなことに政の銃はあけみに向けられていたのを伸次は見のがさなかった。
政は東京で親分を裏切ったあけみを消すために、もう−人の殺し屋ジミイと
彼女を探しに来ていたのだ。だが、政は彼女の美貌に参って、同棲を迫った。
ある日、会津若松駅に二宮牧場主の二宮靖子が降りたった。靖子は22才の若さで、
弟浩と倒産寸前の牧場を経営し、今も東京で金策に失敗して帰って来たのだった。
突然、マキは靖子に泣きついた。マキの父が湯元の小屋で焼死したのだ。
マキはこの事件をホテル建設のために牧場買収を企らむ小芝の仕業だとにらんでいた。
折から牧場への帰途、靖子とマキは政たちになぶられたが、突然伸次が現れ、
またしても政は苦杯をなめさせられた。
伸次は靖子たちから小芝の企みを聞き、焼死現場を見に出かけた。
伸次は湧き出る温泉を見て、小芝のねらいは牧場でなく温泉であることを知った。
靖子と浩は伸次に協力を頼んだが、マキは東京の人は嫌いと反対した。
相つぐ迫害に牧童たちをしずめるのに伸次の力か欲しかったのだ。
だが伸次は「…行く所で人に頼られ、それがいやでまた流れる…」
それが渡り鳥の悲しさですよと…頼みをすげなくことわるのだった。
小芝は越谷に伸次という邪魔者のことを報告した。そして靖子の誕生パー
ティの夜、牧場を襲うことにした。小芝にはマキをものにしたいという自的
もあった。
パーティの夜、牧童たちは団結を決意し、パーティは始った。
そこへ小芝一味が乱入して格斗となった。政はマキを飼料小屋へ引きずりこんだ。
マキは、かつて新宿の踊り子で、政と一緒に寝たことがあるという弱味をもっていた。
政を追ってきた小芝は拳銃を射とうした。
その瞬間、小芝の拳銃はふっ飛んだ。伸次がやったのだ。政の拳銃が伸次を射った。
だが、それよりも伸次の拳銃で射ち落とされる方が早かった。
伸次は政とマキの関係を知った。
翌日、伸次は越谷に会い、越谷の非を責めたが、越谷は愛児の幸福のために
一方、マキは政に復讐すペく猟銃をもって家出した。
丁度政は小芝の仕組んだ罠とも知らず、小芝の頼みで越谷のところへゆくところだった。
小芝たちは屋上て政を待ち構えていた。
その崖の近くで、マキは政を狙った。
その時飛んで来たヒ首(あいくち)がマキの袖にささり、猟銃は暴発した。
ヒ首を投げたのは、政と−緒に東京を出た殺し屋のヒ首ジミイだった。
マキは隙をみて逃げたが、小芝につかまった。
政は、ジミイに、あけみはここにはいないとだまし、列車に乗せてほっとしたが、
突如貨車の蔭からの銃声に線路上に叩きのめされた。
小芝にやられたのだ。小芝は早速ジミイに伸次殺しを託した。
ジミイが、マキを渡すからと伸次を誘いに来た。
ほのかに伸衣を愛する靖子は、必死になってとめたが、伸次は危険を承知で出かけて行った。
町はずれの崖道でジミイのヒ首が伸次を急襲したが、伸次に逆手をとられ、
ジミイはキャバレーにつれてゆかれた。伸次はあけみの前で彼を殴打した。
そして彼にマキの居所を問いつめ、あけみには超谷と小芝の悪事をばらした。
あけみは嗚咽にむせんだ。
あけみに教えられ、伸次はマキを地下室から連れ出したが、マキは牧場へ帰りたがらない。
だが、政の死を聞いて喜びに泣きくずれ、小芝一昧が牧場へ行ったと叫んだ。
牧場は大乱斗の最中だった。
小芝は素早く靖子を楯にした。伸衣は絶対絶命となったが、浩の機転で救われた。
逃げる小芝を追ってキャバレーへ来た伸次は、あけみが虫の息でいるのを発見した。
牧場付近の森の中で越谷は倒れていた。
越谷は伸次に、信夫を北海道の親戚へ……と言って死んで行った。
小芝を追った伸次は、ロープウェイの上で1対1の死斗となった。
その下からジミイの二連銃が狙っていた。
だが、そのジミイも意外な政の一発で倒れた。
小芝は逮捕された。
伸次と政は奇縁にニヤリと笑い交わすのだった。
靖子は伸次を引き止めた。
伸次は信夫を北海道に届けたら帰って来ると約束してフラリと出掛けた。
町へ下る荷馬車に乗った伸衣と信夫は、黄昏の牧場をあとにして高原の彼方に消えて行った。
♪あかぁい〜・・・・ ♪
(出所:「帰って来た小林旭」コロンビアレコードより、白鳥信一監修より引用)
|