〜渡り鳥が全国を羽ばたいた時代を検証〜

「渡り鳥シリーズ」が生まれた1959年(昭和34年)から、渡り鳥が北に帰った1962年(昭和37年)までの時代を検証。
いや、あまり関連性はないのですが、そういう時代状況だったということを感じていただければ(当時、管理人は子供)・・・

 ※下の映画は公開された邦画各社の主要作品に小林旭出演作品(青文字)を網羅しました。ほぼ公開順に並んでいます。
年 度
公開主要映画
ヒットソング
社会一般動向/ブーム・流行語

1959
(昭和34年)

 

大東亜戦争と国際裁判(新東宝)
嵐を呼ぶ友情
人間の条件1・2(松竹)
女を忘れろ
細雪(大映)
忠臣蔵(東映)
若い川の流れ(日活)
花のれん(松竹)
荷車の歌(新東宝)
第五福竜丸(大映)
キクとイサム(松竹)
群衆の中の太陽
コタンの口笛(東宝)
俺は挑戦する
私は貝になりたい(東宝)
二連銃の鉄
氾濫(大映)
東京の孤独
素晴らしき娘たち(東映)
若い豹の群れ
爆薬に火をつけろ
鍵(大映)
南国土佐を後にして
浪花の恋の物語(東映)
銀座旋風児
暗夜行路(東宝)
独立愚連隊(東宝)
ギターを持った渡り鳥
人間の壁
(新東宝)
波止場の無法者

貴族の階段
(大映)
日本誕生
(東宝)
にあんちゃん
(日活)
銀座旋風児・黒幕は誰だ
野火
(大映)
浮草
(松竹)
人間の条件3・4
(松竹)
宇宙大戦争
(東宝)

「夜霧に消えたチャコ」
 フランク永井
「南国土佐を後にして」ペギー葉山
「可愛い花」ザ・ピーナツ
「古城」三橋美智也
「グッドナイト」松尾和子
「黄色いサクランボ」
 スリーキャッツ
「僕は泣いちっち」守屋浩
「浅草姉妹」こまどり姉妹
「お別れ公衆電話」松山恵子
「黒い花びら」水原弘

「南国土佐を後にして」は故郷を出て都会に住む若者がふと、自分の故郷を思い出す様を歌ったものです。この曲をモチーフとしたのが同名映画で、渡り鳥シリーズの元祖といわれています。この頃に人気のあった歌手はムーディーな都会派のフランク永井、松尾和子、新人の水原弘あたりでした。そしてローカル系は三橋美智也を筆頭に、松山恵子、新人のこまどり姉妹などです。そこにロカビリー系の守屋浩がローカル系の歌詞で、ポップなリズムで登場し、人気を博しました。このあたりの『あんちゃん』風の層が後の渡り鳥シリーズを支持して行ったのでしょう(・・・と勝手に解釈)。

 

・メートル法施行

・ソ連、宇宙ロケット発射成功

・NET(現テレビ朝日)テレビ開局

・フジテレビ開局
 *この前年(昭和33年)には
  全国の映画館の数が8,000に
  迫ろうとしていた。

・週刊誌相次ぎ創刊
 (少年マガジン、サンデー、
 週刊文春、現代)

・皇太子ご成婚
 (現天皇陛下と皇后様)

・永井荷風逝去

・防衛二法案成立

・伊勢湾台風

・ソ連、第2号宇宙ロケット発射成功



・ミッチーブーム、
カミナリ族、
 がめつい、私のえらんだ人、
 三当四落、キャリアガール、
 タフガイ、パーキングメーター、
 岩戸景気、株式ブーム


 なんと、アキラさん出演作品、年間13本。後半の「ギターを持った渡り鳥」登場の秘話は
1960
(昭和35年)

口笛が流れる港町
任侠中仙道
(東映)
やくざの詩
女が階段を上る時
(大映)
鉄火場の風
(日活)
海から来た流れ者
大いなる旅路
(東映)
黒い画集
(松竹)
銀座旋風児・目撃者は彼奴だ
ぼんち
(大映)
秘境ヒマラヤ
(松竹)
あじさいの歌(日活)
渡り鳥いつまた帰る
娘・妻・母
(東宝)
海を渡る波止場の風
私は貝になりたい
(東宝)
青春残酷物語
(松竹)
人間みな兄弟(芸術映画社)
親鸞
(松竹)
赤い夕陽の渡り鳥
東京の暴れん坊
太陽の墓場

墨東綺譚
(東宝)
妖刀物語 花の吉原百人切り
(東映)
悪い奴ほどよく眠る
(東宝)
南海の狼煙
偽大学生
(大映)
日本の夜と霧
(松竹)
大草原の渡り鳥
笛吹川(松竹)
おとうと(大映)
大暴れ風来坊
武器なき戦い
(大東映画)
秋日和
(松竹)
都会の空の用心棒
筑豊の子供たち
(東宝)
裸の島
(近代映協)

「月の法善寺横町」藤島桓夫
「潮来笠」橋幸夫
「ダンチョネ節」小林旭
「ズンドコ節」小林旭
「月影のナポリ」森山加代

「再会」松尾和子
「ギターを持った渡り鳥」
小林旭
「さすらい」小林旭

「達者でナ」三橋美智也
「有難や節」守屋浩
「誰よりも君を愛す」松尾和子

 

この年は、どのラジオからもアキラの歌声が流れていたのではないだろうかと思えるほどに、次から次へとヒット曲が生まれた。歌がヒットして挿入歌となり、主題歌ともなった。
三橋美智也が歌う「夕焼けとんび」と比較されるのが「赤い夕陽の渡り鳥」それは単に夕焼けと夕陽ではなく、故郷を離れて都会ではぐれた気分の男達があこがれたのが渡り鳥・流れ者だったのだ
(・・・と勝手に解釈)

 

・首相訪米防止全学連デモ

・三池炭坑紛争

・安保阻止国会デモ全学連国会突入

・新安保条約自然成立

・山谷でマンモス交番襲撃

・ローマオリンピックで
      日本の体操選手活躍

・高度成長・所得倍増計画発表

・カラーテレビ本放送始まる

・右翼少年浅沼委員長刺殺

・米大統領選でケネディ当選



・インスタント時代、だっこちゃん
 トップ屋、クレジットカード、
 声なき声、寛容と忍耐、
 私はウソはもうしません、
 セックスが最高よ
 またもや、年間13本。大ヒットした「渡り鳥・流れ者」シリーズの影響とは?
1961
(昭和36年)

波濤を越える渡り鳥
名もなく貧しく美しく(東宝)
太平洋のかつぎ屋
豚と軍艦(日活)
松川事件(松竹)
あれが港の灯だ(東映)
銀座旋風児・嵐が俺を呼んでいる
もず(松竹)
「粘土のお面」より かあちゃん
 (新東宝)
でかんしょ風来坊
不良少年(新東宝)
風に逆らう流れ者
別れて生きるときも(東宝)
大海原を行く渡り鳥
用心棒(東宝)
黒い十人の女(大映)
宮本武蔵(東映)
都会の空の非常線
真珠湾前夜(松竹)
太陽、海を染めるとき
あいつと私(日活)
永遠の人(松竹)
高原児
大森林に向かって立つ
悪名
(大映)
世界大戦争(東宝)
小早川家の秋(東宝)
妻は告白する(大映)
嵐を突っ切るジェット機
釈迦
(大映)
反逆児
(東映)
二人の息子
東宝)
はだかっ子
(ニュー東映)
黒い傷あとのブルース

「東京ドドンパ娘」渡辺マリ
「おひまなら来てね」五月みどり
「銀座の恋の物語」
 石原裕次郎・牧村旬子
「北帰行」小林旭
「襟裳岬」島倉千代子
「湖愁」松島アキラ
「川は流れる」仲宗根美樹
「上を向いて歩こう」坂本九
「ラストダンスは私に」越路吹雪
「黒い傷あとのブルース」小林旭
「王将」村田英雄
「君恋し」フランク永井
「スーダラ節」植木等

アキラさんの歌謡民謡路線は以前と人気で、次は海外にとんで「ブンガワンソロ」などのヒットにつながります(前年度)。この年は歌声喫茶(*注)ブームで海外の民謡や国内の伝承歌などが歌われていました。その中から生まれたのが「北帰行」。

こうして見ると、この年は今でも歌われるスタンダードソングともいうべきものが多いようですね。

・「風流夢譚」に憤慨した右翼少年
 中央公論社社長宅を襲い殺人

・医師会デモで全国休診

・ガガーリン人間衛生第1号打上

・チャップリン来日

・大阪釜ヶ崎住民二千余人が暴動

・東西ベルリン境界に壁ができる

・ソ連の核実験再開

・大鵬、柏戸横綱に

・ニセ千円札見つかる
(以後、2年間で343枚)



・レジャーブーム、
 シームレスストッキング
 アンネナプキン発売、

・わかっちゃいるけどやめられない、
 六本木族、オトキチ族、
 時差出勤、物価倍増、柏鵬時代、
 プライバシー、不快指数、
 お分かりかな

 
 まだまだ続く、年間12本。新たな路線が生まれようとした秘話は
1962
(昭和37年)

渡り鳥北へ帰る
椿三十郎(東宝)
にっぽんのお婆ちゃん(松竹)
充たされた生活(松竹)
雁の寺(大映)
さすらい
からみ合い(松竹)
流し雛(松竹)
夢がいっぱい暴れん坊
破戒(大映)
キューポラのある街(日活)
山河あり
(松竹)
恋や恋すな恋(東映)
東京湾(松竹)
惜別の歌
お吟さま(松竹)
ちいさこべ(東映)
二階堂卓也銀座無頼帖 帰ってきた旋風児
秋津温泉(松竹)
シンドバッドの冒険(東映動画)
遙かなる国の歌
おとし穴(ATG)
ギャング対ギャング(東映)
キングコング対ゴジラ(東宝)
二人で歩いた幾春秋(松竹)
渡り鳥故郷へ帰る
切腹(松竹)
放浪記(東映)
その夜は忘れない(大映)
地獄の夜は真紅だぜ
乳房を抱く娘たち(大映)
若い人(日活)
瘋癲老人日記(大映)
秦始皇帝(大映)
忠臣蔵(東宝)
人間(近代映協)
秋刀魚の味(松竹)
私は二歳(大映)
忍びの者(大映)
歌う暴れん坊
しとやかな獣(大映)

「ルイジアナ・ママ」飯田久彦
「可愛いベイビー」中尾ミエ
「ハイそれまでよ」植木等
「若いふたり」北原謙二
「惜別の歌」小林旭
「恋は神代の昔から」畠山みどり
「遠くへ行きたい」ジェリー藤尾
「赤いハンカチ」石原裕次郎
「アカシアの雨が止むとき」
 西田佐知子
「下町の太陽」倍賞千恵子
「島育ち」田端義夫
「いつでも夢を」
 橋幸夫・吉永小百合

 




・東京都世界初の1000万都市となる

・陸上自衛隊改変

・流感流行

・昭和基地閉鎖

・テレビ受信者1000万突破

・堀江謙一氏太平洋単独横断

・東海村「原子の火」ともる

・キューバ危機

・ファイティング原田、
 世界フライ級チャンピオン


・ツイスト、ボーイッシュルック、
 総会屋、黄色いママさん、
 当たり屋、無責任時代、スモッグ

 とうとう帰ってしまった渡り鳥。旋風児は帰って来たけれど、銀座の雰囲気が違ってた。でも、銀座の次郎長は元気だった!
注:「歌ごえ喫茶」=今のようなカラオケではなく、アカペラ(無伴奏)または、アコーディオン伴奏などで、多くの人が一緒になって、リーダーのリードに合わせて合唱する。歌われるのは海外の民謡や日本の伝承歌、抒情歌が多かった。「北上夜曲」「山のロザリア」「山小舎の灯」など。