1961年夏、無国籍映画全盛

無国籍アクション映画花ざかり
日活を追う他社の西部調映画

 

 

赤い谷の惨劇

 

 

疑惑の断崖

 

荒野の放浪者

 

 

顔役暁に死す

 

 

地獄に真紅な花が咲く

 

 

 

疑惑の断崖

 

 

赤い谷の惨劇


 昭和34年に端を発する「渡り鳥シリーズ」「流れ者シリーズ」「抜き射ちの竜シリーズ」など、一連の無国籍映画は 五社にも大きな影響を与えた。その後の宍戸錠さんの活躍により、それらがさらに加速された。以下は、その当時(昭和36年夏)の雑誌記事からの抜粋。

 国籍不明の日活西部劇。
実は国籍不明のシロモノが、邦画界にバカあたりにあたっている。
 この日活に刺激されてか、東映、新東宝、東宝などが、やつぎ早に西部劇調のアクション作品を製作開始している。
 まず東映を見ると、片岡千恵蔵御大主演の“アマゾンの大魔王”
である。もっともこの作品が日活に対して云々というのは少し行きすぎかも知れないが、千恵蔵御大主演のアクションは、旭に対抗できるという自信たっぷりに東映は考えているようだ。
 また、日活アクションに正面切っているのが、千葉真一、曽根晴美の風来坊探偵コンビである。第一回作として“赤い谷の惨劇”を製作しているが、今後シリーズとするたてまえになっている。

(※管理人注:第一回とあるのは“ニュー東映” の第1回作品であり、設定としては、旭さんと錠さんのコンビを意識したのは誰が考えても明らか。 後にも1本作られている)

 その他、西部劇には入らないまでも、鶴田浩二の“地獄に真紅な花が咲く”があり、三国連太郎、高倉健、江原慎二郎などを起用して、東映アクションのカラーを生み出そうとやっきになっている。
 余談だが、千恵蔵御大のピストルものは、日本の草分けとして東映では誇りとしており、今後に充分期待ができるようだ。

(※管理人注:最終的には成功したとは言い難い。『東京ギャング対香港ギャング』
で、それは終わりをつげ、任侠物や“網走番外地シリーズ”の成功まで待たなければならない)

 新東宝に目を移すと、これまた日活を目標にアクションものが製作されている。
 それは下村堯二監督第一回作品の“高原の掠奪者”であるが、下村氏は「日活が作っている一連の無国籍映画は、とにかく面白い。不況といわれる映画界にあって、これらの作品がヒットしている理由がよく分かる。
だから、色々と研究して、その面白さをふんだんに採り入れた」と語っているように、アクションのすべて盛り込んだ作品に仕立てている。 しかも舞台を蒙古(現在中国)に置き、宇津井健と松原緑郎のコンビを作り、新東宝製作陣が結集して、この一作の成功に努力しているようだ。
そして、もしこれがうまくいけば、次々と連続に製作して、新東宝の今後の方針を決めようというところまで話が進んでいる。

 次に東宝があげられるが、東宝には以前から東宝アクションのカラーとして立派なものがあったと思う。
 例えば三船敏郎、三橋達也などの主演作品である。しかし、夏木陽介、佐藤充、加山雄三の新人が登場してからは、なんとなく日活に刺激されたアクションが多くなってきている。
 岡本喜八監督と加山雄三のコンビで作られた“顔役暁に死す”などでは、「宍戸錠に迫るガンさばき」とか、 絶えず日活を相手どったことだけに終始している。もちろん、岡本監督の独特なタッチとスピーディなアクションになっているが・・・。「アクション王国日活に捨て身で殴り込め!」というのが、邦画アクション界の合言葉のようになっている昨今だ。
 しかし、国籍不明の日活西部劇には、まだ追いつけそうにもないというのが、関係者の見通しである。
 もし日活を追い越すには、その会社、という見方が多いようだ。

 

 

地獄に真紅な花が咲く
 

 

顔役暁に死す

 

アマゾンの大魔王

 

 

疑惑の断崖

 

赤い谷の惨劇

 

 

 

顔役暁に死す

 

 

荒野の放浪者

          
  赤い谷の惨劇 千葉真一さん(左)曽根晴美さん(右)     荒野の略奪者 宇津井健さん     顔役暁に死す 加山雄三さん
 
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